Qualities of ナスノ

Grad student of History and Philosophy of Science, Bachelor of Public Health with emphasis on Bioethics. 医療とか情報にまつわる制度。情報の哲学を趣味にする。http://komad.tokyo/ は社会貢献

COVID-19, College Life, and Community(コロナ、大学生活、コミュニティに関する個人的な備忘録)

東大近くの駒場キャンパスで5年間ぐらい、学生の自主的な勉強会や課外活動を支援できるようなコミュニティスペースの運営をボランティアで手伝ってきた。

偶発的な出会いとか密な議論や食事の時間の共有を重視した設計になっていたので(そもそも大学のキャンパスに来ていることや、ゼミ・学生団体・サークルの人間関係を前提にして制度設計がなされていた)、コロナの影響を強く受けて状況は一変した。

 

www.tokyo-np.co.jp

 

とりわけ大学はコロナ禍以降で、他の組織や学校と比べて大きく状況が一変したと思う。その結果、大学制度の冗長性ともいえた部分(人のゆるく広いつながりとか、授業ないけど会う人たちとか)が失われたり、サークル活動や学生団体、(海外)旅行などのいわゆるイメージされるような「学生生活」が失われたりした。

 

www3.nhk.or.jp

 

その一方で僕は「STAY HOME」的なメッセージを専門家の方を発信するプロジェクトをしていた手前、2020年当時に後輩たちを含めた多くの人に対して結果的にこういったコミュニティや文化の喪失につながるような声がけをしてきたと思う。上述したコミュニティスペースも(ともすれば大学が推奨していない"ヤミ対面活動"のための場所として使えたところを)大学や自治体/政府が推奨するルールを守れるようにしたために、偶発的な出会いとか密な議論とか以前のそもそも人と人の会話や一緒に過ごす時間といったかつてそこに溢れていたものがなくなってしまった。

 

もし僕が関わっていなかったら、多少ルール的にはグレーな形でもっと色々な大学生活ぽいものをそこに残せたのかもしれない。

 

そうでなくても結果的に大学生活を失ってしまうことに繋がるようなメッセージを発信したことに、僕は責任を感じている。そもそもメッセージの内容としては、大学生活に限らない多くに強い影響を与えるものであったが、とりわけ自分が一生懸命やってきたこと、友人に当事者が多いことから、大学生活に関わるイシューについての思いが一番強い。

 

最近、大学のサークル活動や授業の制限が緩和されて、図書館に足を運ぶと少しなつかしい雰囲気が食堂からしてくることもある。

ただ学生は進学、卒業していってしまった人もいるだろうし、キャンパスの空気をみて感じる安心は僕の個人的なものでしかなく、問題の解決や埋め合わせには全くなっていないのだと思う。